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FXのロスカット計算方法【防止策とロスカットレートの実例もアリ】

FXには「ロスカット」という措置があります。

このロスカットは非常に重要であるため、計算方法は必ず知っておかないといけません。

この記事では、ロスカットの計算方法を初心者にも分かりやすいように解説しています。

また、ロスカットは防止すべきであるため防止策も伝え、実際にどのくらいのレートでロスカットされるかのシミュレーションも掲載しています。

目次

FXのロスカットを正確に理解しておく!

はじめに、FXのロスカットを正確に理解しておきましょう。

FXにおいてロスカットとは、「強制ロスカット」のことを指します。

強制ロスカットとは、すべてのポジションを強制的に決済される措置です。FX会社が決めた「ロスカット率」「証拠金維持率」が下回ると発動します。

ロスカット率とは、強制ロスカットになる基準です。「ロスカット率100%=必要証拠金(トレードする際の担保金)」となります。ロスカット率はFX会社によって違うため、お使いのFX会社がいくつなのかを確認しておく必要があります。

証拠金維持率は「必要証拠金に対して口座のお金がどれくらいあるか?」という部分です。「証拠金維持率 = 有効証拠金÷必要証拠金×100(%)」で算出されます。

ロスカット率100%以下のFX会社であれば、証拠金維持率が100%を下回ると強制ロスカットとなり、保有中のすべてのポジションが決済となるのです。

そもそもロスカットはなぜあるのか?

ロスカットは顧客の資産を守るためのものです。

FXでは「レバレッジ」を使用して口座資金よりも大きなお金で取引可能です。

効率よく利益が得られるのはメリットなのですが、損失が大きくなるというデメリットもあります。急激な相場変動によっては、口座資金がマイナスになることもあるのです。

そうした事態を防ぐ目的で導入されているのがロスカットなのです。

FXのロスカットの計算方法

FXのロスカットの計算方法は、「ロスカット率100%=必要証拠金」と理解すると分かりやすいです。

例えば、ドル/円が100円のとき、1万通貨の必要証拠金は約4万円です。

よって、ロスカット率100%以下なら、「純資産(口座資金にすべてのポジションの損益を含めた金額)」が4万円以下になるとロスカットが発動します。

この計算を基準に考えるとすぐ理解できるかと思います。先と同じ条件でロスカット率の数値を変え、ロスカットになる金額を確認してみましょう。

ロスカット率ロスカットになる金額
80%以下32,000円
50以下20,000円
20%以下8,000円

ロスカット率80%以下であれば、純資産が32,000円になるとロスカットが発動します。ロスカット率20%以下のケースなら、純資産が8,000円でロスカットです。

このように、ロスカットはロスカット率と必要証拠金をもとに計算することができます。

よって、計算するときはお使いのFX会社のロスカット率と、トレードする通貨ペアの必要証拠金を確認しておくことが必須です。

ロスカット率と要証拠金は、お使いのFX会社の公式サイト等で確認できます。

必要証拠金の計算方法について

補足として、必要証拠金の計算方法も解説しておきます。

必要証拠金の計算方法や次のとおりです。

必要証拠金=通貨単位×現在レート÷レバレッジ

例えば、ドル/円を120円のとき1,000通貨でレバレッジ25倍の会社でトレードするなら、以下のように計算します。

1,000通貨×120円÷25=4,800円

上記のケースでは必要証拠金は4,800円です。

必要証拠金はこのように計算します。

なお、実際はFX会社が提供しているシミュレーションを利用するのがおすすめです。シミュレーションなら数字を入力するだけで、すぐに金額が分かります。

【要注意】FXのロスカットは遅れて発動することもある!

「ロスカットがあるから借金にはならない」このように過信しすぎてはいけません。

相場が急騰&急落したときにはロスカットが間に合わず、口座資金にマイナスが発生してしまう可能性も十分あり得るからです。

実際、過去にはそうした例が何度かあったとのこと。急な相場変動によって多額の借金を背負ってしまい、人生に大きなダメージを負ってしまった人もいるようです。

とくに要注意したいのが、ハイレバレッジの取引をしている人です。

ハイレバレッジの取引でロスカットが間に合わない事態が発生すると、口座資金に大きなマイナスが出る可能性が上がります。

ハイレバレッジの取引をしているときは、ポジションを寝る前に決済してしまうのがおすすめです。チャートを見れないときに保有するはおすすめできません。

FXのロスカットを防止するための4つの対策方法

ロスカットに合わないためには、証拠金維持率を安定させることが一番の近道です。

以下の4つの対策方法を実行すれば、証拠金維持率は安定し、ロスカットになりにくくなるため、ぜひ取り入れてみてください。

  • レバレッジを抑える
  • 損切りを徹底する
  • 保有ポジションの一部を決済する
  • 口座資金を追加する

レバレッジを抑える

レバレッジを抑えることで損失額が減るため、証拠金維持率を安定させることができます。

レバレッジが高いと少しの逆行で大きな損失が発生しますし、必要証拠金も高額になるため、証拠金維持率を著しく下げます。

ドル/円を口座資金20万円でトレードするときのレバレッジと、証拠金維持率の関係を見てみましょう。

取引単位レバレッジ証拠金維持率
1,000通貨1倍3635%
5,000通貨3倍727%
1万通貨7倍363%
2万通貨14倍182%
3万通貨21倍121%

1,000通貨のレバレッジ1倍のケースであれば、証拠金維持率は3635%とたっぷり余裕があります。

これが1万通貨のレバレッジ7倍なら363%、3万通貨のレバレッジ21倍なら121%と、レバレッジが上がるごとに証拠金維持率が下がっていくのです。

しかも上記はまだポジションを保有した瞬間の証拠金維持率にしか過ぎません。

ポジションを保有後に相場が逆行するとさらに証拠金維持率は下がります。レバレッジが高く、証拠金維持率に余裕がないときはあっという間にロスカットになります。

そのため、レバレッジは上げすぎないようにしておくようにしましょう。

上げても証拠金維持率が300%を下回らない範囲にしておきたいです。

損切りを徹底する

損切りを徹底することで証拠金維持率の安定に繋がります。

損切りによって損失の拡大を防止できるからです。損切りをすれば、その瞬間に損失が確定するため、それ以上損が拡大することが無くなります。

大きな損失を出して証拠金維持率を下げてしまうことを防止できるのです。

保有ポジションの一部を決済する

保有ポジションの一部を決済すれば証拠金維持率が上がり、結果的にロスカットへの防止策になります。

例えば、38,000通貨のポジションを保有していた場合、10,000通貨だけ決済するのです。そうすれば、決済した分だけ、証拠金維持率が上がります。

一時的な対策ではあるものの、相場回復の見込みがあるときは有効な方法です。

口座資金を追加する

口座資金を追加することでも証拠金維持率を上げることができます。

証拠金維持率は必要証拠金に対する純資産の割合であるため、口座資金が増えれば上昇します。

ただし、明確な理由もなく、追加入金するのはおすすめできません。

きちんと相場回復の見込みがあると判断できたときのみ、追加入金するようにしましょう。

理由もなく追加入金しても、相場の流れに逆らっており、なおかつ勢いが強いと結局ロスカットになる可能性があります。

どのレートでロスカットされる?シミュレーションしてみた!

「どのくらいのレートでロスカットになるか?」という部分は、多くの人が気になるかと思います。

そこでこの章では、ロスカットレートのシミュレーションをしてみました。

口座資金10万円・1,000通貨のケース

通貨ペア名・買いレートロスカットレートロスカットまでの値幅
米ドル/円・137.514円43.114円94.400円
ユーロ/円・137.045円42.545円94.500円
ユーロ/ドル・0.99661ドル42.545ドル94.500ドル

口座資金50万円・1万通貨のケース

通貨ペア名・買いレートロスカットレートロスカットまでの値幅
米ドル/円・137.514円93.114円44.400円
ユーロ/円・137.045円92.545円44.500円
ユーロ/ドル・0.99661ドル0.67301ドル0.32360ドル

口座資金100万円・10万通貨のケース

通貨ペア名・買いレートロスカットレートロスカットまでの値幅
米ドル/円・137.514円133.114円4.400円
ユーロ/円・137.045円132.545円4.500円
ユーロ/ドル・0.99661ドル0.96389ドル0.03272ドル

シミュレーション結果のまとめ

シミュレーション結果から分かるのは、取引量を上げるとロスカットまでの値幅狭くなることです。

口座資金10万円・1,000通貨のケースでは、3通貨ペアともに「pips(通貨ペアの取引単位)」にすると約9,000 pipsです。

それに対して、口座資金100万円・10万通貨のケースだと、米ドル/円とユーロ/円は約450 pips、ユーロ/ドルは約300 pipsと大きく減少しています。

もちろん10万通貨でも口座資金を増やせば、結果は異なります。しかし、基本的には取引量を上げるとロスカットまでの値幅狭くなると覚えておきましょう。

ロスカットと損切りは違う!混同にしないようにしよう

ロスカットと損切りは混同されることがあるので注意しましょう。

ここまでお伝えしてきたように、ロスカットとは強制ロスカットのことを指し、保有中のすべてのポジションがFX会社によって強制的に決済されることです。

それに対して、損切りとは損失になっているポジションをトレーダー自身で決済することを指します。

どちらも決済という意味では同じですが、ロスカットはFX会社が強制的に行なうのに対し、損切りはトレーダーの意思で行ないます。

損切りをロスカットと呼ぶ人もいますが実際は別物であるため、混同しないようにしましょう。

まとめ

FXのロスカットは「強制ロスカット」を意味します。

計算方法は「ロスカット率100%=必要証拠金」と理解しておくと、すんなり導きだすことが可能です。

トレードする通貨ペアの必要証拠金と利用中のFX会社のロスカット率を調べれば、すぐに計算できます。

ロスカットは証拠金維持率がロスカット率を下回った瞬間に発動するのが基本です。

しかし、相場の急騰&急落によっては遅れて発動することもあるので注意です。ハイレバレッジに取引していると、取り返しのつかない損失をすることもあります。

ロスカットを避けるためにも、次の4つの対策方法をぜひ取り入れるようにしてください。

  • レバレッジを抑える
  • 損切りを徹底する
  • 保有ポジションの一部を決済する
  • 口座資金を追加する

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