「FXのデイトレードと他のトレードスタイルはどう違う?」
FXにはデイトレード以外にもトレードスタイルがあるため、上記のような疑問がある人は多いでしょう。
そこでこの記事では、デイトレードと以下の4つのトレードスタイルを比較してその違いを解説してみました。
- スキャルピング
- スイングトレード
- ポジショントレード
- キャリートレード
目次
FXのデイトレードとはどんなトレードスタイルか?
はじめに、FXのデイトレードがどんなトレードスタイルか理解をしておきましょう。
デイトレードとは、1日で取引を完結するトレードスタイルです。
明確な取引期間に決まりはありませんが、一般的には数時間~1日で取引が完了します。ただし、場合によっては数分で完了することもあります。
どちらにせよ、日を跨いで取引することはないと覚えておきましょう。
使用する時間足は5分足や15分足などが多いです。そのため、1日複数回チャンスがあります。
1回のトレードで得られる利益は使用する時間足やトレード手法によって異なりますが、20pips程度が目安とされています。
デイトレードではポジションをその日のうちに決済するため、「スワップポイント」は得られません。
スワップポイントとは、2国間の金利差によって発生する損益です。
ただし、マイナススワップも防げます。スワップポイントは利益だけでなく、損失になることもありますがデイトレードなら防止できます。
FXのデイトレードを他のトレードスタイルの違いを比較
FXのデイトレードと他の4つのトレードスタイルの違いを比較表にすると、以下のとおりです。
損益(pips) | 取引期間 | 取引機会 | |
---|---|---|---|
デイトレード | △ | 数時間~1日 | 〇 |
スキャルピング | × | 数秒~数分 | ◎ |
スイングトレード | 〇 | 数日~数週間 | △ |
ポジショントレード | ◎ | 数か月~数年単位 | × |
キャリートレード | スワップポイントによる利益 | 制限なし | 1回のみ |
各トレードスタイルとの違いは次章より詳しく解説していきます。
スキャルピング
デイトレード | スキャルピング | |
---|---|---|
損益(pips) | △ | × |
取引期間 | 数時間~1日 | 数秒~数分 |
取引機会 | 〇 | ◎ |
レバレッジ | 最大10倍程度 | 最大10倍程度 |
スワップポイント | なし | なし |
スキャルピングはデイトレードよりも短い時間で行う超短期トレードです。
損益はデイトレードよりも小さくなることが多いです。明確な基準はありませんが、トレード手法によっては1~3pipsで決済することもあります。
取引期間は一般的に数秒~数分となり、数時間~1日で行うデイトレードよりもさらに短い間隔で取引を行います。
時間足は1分足を使用することが多いため、取引機会も多いです。1日に何十回もチャンスがあることもあります。
レバレッジに関してはデイトレードと同じく、最大10倍程度でトレードされることが多いです。
スワップポイントはデイトレードと同じで、スキャルピングもその日の内にポジションを決済するため発生しません。
スイングトレード
デイトレード | スイングトレード | |
---|---|---|
損益(pips) | △ | 〇 |
取引期間 | 数時間~1日 | 数日~数週間 |
取引機会 | 〇 | △ |
レバレッジ | 最大10倍程度 | 最大2~3倍程度 |
スワップポイント | なし | あり |
スイングトレードはデイトレードよりも長いスパンで行うトレードスタイルです。
損益はデイトレードよりもかなり大きくなります。明確な基準はないものの、100pips単位になることも珍しくないです。
取引期間は数日~数週間になるため、デイトレードとは違い日を跨いでポジションを保有します。
取引機会はデイトレードよりも少ないです。スイングトレードは日足のような大きな時間足を使用するため、チャンスはあまり多くありません。
レバレッジは最大2~3倍程度とデイトレードよりも低めにされることが多いです。これはポジションを日を跨いで保有するためになります。
チャートを見ていないときに突発的な相場変動に巻き込まれる恐れがあるため、レバレッジを抑えめにしておく必要があるのです。
スイングトレードではポジションを日を跨いで保有するため、デイトレードとは違いスワップポイントを得られます。ただし、マイナススワップも発生するので注意です。
ポジショントレード
デイトレード | ポジショントレード | |
---|---|---|
損益(pips) | △ | ◎ |
取引期間 | 数時間~1日 | 数か月~数年 |
取引機会 | 〇 | × |
レバレッジ | 最大10倍程度 | 最大2~3倍 |
スワップポイント | なし | あり |
ポジショントレードは最も取引期間が長いトレードスタイルです。
損益はデイトレードよりもずっと大きくなり、数百~数千pipsになります。一度にまとめて大きな利益を狙うトレードと認識しておきましょう。
取引期間は数か月~数年にもなります。小さな動きを狙うのではなく、大相場と呼ばれる長期間続くトレンドを狙っていくため、取引期間も非常に長くなるのです。
このように、ポジショントレードは大きなトレンドを狙うため取引期間は滅多にありません。数年に1回しかないという場合も珍しくないです。
レバレッジはポジショントを長期間保有するため、相場変動のリスクを警戒し、最大2~3倍までとデイトレードよりも低めに抑えられることが多いです。
デイトレードとは異なり、ポジションを日を跨いで保有するためスワップポイントを得らえます。
キャリートレード
デイトレード | キャリートレード | |
---|---|---|
損益(pips) | △ | スワップポイント |
取引期間 | 数時間~1日 | 制限なし |
取引機会 | 〇 | 1回のみ |
レバレッジ | 最大10倍程度 | 1万通貨(通貨ペアによっては10万通貨) |
スワップポイント | なし | あり |
キャリートレードとはスワップポイントを狙って投資するトレードスタイルです。
デイトレードやその他のトレードスタイルとは異なり、レートの変動によって利益を狙うのではなく、毎日得られるスワップポイントによって利益を狙います。
スワップポイントはポジションを保有していれば毎日得られるため、取引期間が長くなるほど利益が増え、取引期間にも制限がありません。
取引機会は最初の1回だけで、あとは基本放置で良いのもキャリートレードの特徴です。
レバレッジは基本的に1万通貨で行います。それ以下だとスワップポイントが少なく、それ以上だとレートの変動による損失額が苦しくなります。
ただし、通貨ペアによっては10万通貨からしか取引できないものもあるため、例外もあると覚えておきましょう。(例:南アフリカランド/円やメキシコペソ/円)
FXのデイトレードのメリットはこの4つ
FXのデイトレードのメリットは次の4つです。
- 短時間で稼げる
- 取引外の相場の急変動に巻き込まれにくい
- 資金効率が良い
- マイナススワップを気にしなくて良い
短時間で稼げる
デイトレードは短時間で稼げるのがメリットです。
取引してからすぐに利益が乗ることも多く、数分後には利益目標に到達して決済できることも珍しくありません。
それでいてFXではレバレッジを掛けて取引できるため、効率よく稼げます。口座資金以上のお金で取引でき、通常よりも利益額を大きくできます。
取引外の相場の急変動に巻き込まれにくい
デイトレードは取引外の相場の急変動に巻き込まれにくいです。
ポジションを「オーバーナイト(日を跨いで保有しないこと)」しないためです。
ポジションをオーバーナイトすると、寝ているときなどのチャートを見られない場面で相場が急変動したときに対応できないことがあります。
その結果、大きな損失を抱えてしまうこともあります。
しかし、デイトレードはオーバーナイトをしないため、チャートを見ていないときに相場が急変動しても問題ありません。
資金効率が良い
デイトレードは資金効率がとても良いです。
取引機会が頻繁に訪れるため、回転売買を行うことができるからです。
取引であげた利益を次の取引に回し、またその次の取引へと循環させて口座資金を増加させやすくなっています。
マイナススワップを気にしなくて良い
デイトレードはマイナススワップを気にしなくて良いのもメリットです。
ポジションをオーバーナイトしないため、スワップポイント自体が発生しないからです。
スワップポイントは得られないもののマイナススワップの発生も防止できます。マイナススワップがあると毎日損失が発生し、利益を減らします。
しかも、マイナススワップは得られるスワップポイントよりも多いのが基本です。
例えば、GMOクリック証券のスワップポイントは以下のとおり。(2022年10月21日)
通貨ペア | 売スワップ | 買いスワップ |
---|---|---|
米ドル/円 | -140円 | 130円 |
トルコリラ/円 | -32円 | 21円 |
南アフリカランド/円 | -140円 | 110円 |
このため、マイナススワップがあるトレードスタイルはマイナススワップを気にしながら取引する必要があるため、売買方向が制限されることがあります。
それに対してデイトレードはマイナススワップを気にする必要がありません。売買方向に関しても、「買い」と「売り」どちらでも気兼ねなく取引可能です。
FXのデイトレードのデメリットはこの3つ
FXのデイトレードには、次のようなデメリットもあるため確認しておきましょう。
- 初心者にはエントリータイミングが難しい
- チャートの前に張り付かないといけない
- スプレッドが広い通貨ペアは取引しにくい
エントリータイミングが難しい
デイトレードは、初心者にはエントリータイミングが難しいです。
5分足のような短い時間足を使用することが多いため、分析や判断のスピードを求められるためです。
分析や判断のスピードが遅れてしまうとエントリータイミングを逃し、もうエントリーできないといった場面が多々あります。
そのため、初心者にはスピードが早くてついていけないと感じるかもしれません。
チャートの前に張り付かないといけない
デイトレードはチャートの前に拘束されるデメリットもあります。
チャートを監視し、チャンスになるまでじっと待つことを要求されるトレードスタイルだからです。
時には数時間単位でチャートの前に張り付かないといけないこともあります。
少しでも負担を減らすには、FX会社の提供している「レート通知」や「プッシュ通知」などを使用するのがおすすめです。
レート通知やプッシュ通知とは、指定したレートになったらチャートソフトがサウンドで知らせてくれたり、携帯にメールで通知してくれたりする機能です。
そうした機能を使用して、重要な場面のみチャートを監視するというやり方でも良いでしょう。
スプレッドが広い通貨ペアは取引しにくい
デイトレードはスプレッドが広い通貨ペアは取引しにくいです。
FXではスプレッドという売値と買値の差額があり、これが実質的な取引コストになります。
スプレッドは売買した瞬間、スプレッド分がマイナスの状態でスタートになるからです。
例えば、スプレッドが0.6銭なら売買すると-0.6銭の状態でスタートします。
そのため、スプレッドが広い通貨ペアだとそれだけ不利な状態で取引をすることになってしまうのです。
デイトレードで狙う利益は大きくありません。スプレッドが広いと利益目標までが遠くなって勝つが難しくなります。
よって、スプレッドが広い通貨ペアはデイトレードに適していないのです。
スプレッドはどんなに広くでも1.0銭以下(1.0pips以下)に抑えておきたいです。
まとめ
FXのデイトレードの他のトレードスタイルの違いはおもに以下の3つです。
- 損益
- 取引期間
- 取引機会
損益(pips) | 取引期間 | 取引機会 | |
---|---|---|---|
デイトレード | △ | 数時間~1日 | 〇 |
スキャルピング | × | 数秒~数分 | ◎ |
スイングトレード | 〇 | 数日~数週間 | △ |
ポジショントレード | ◎ | 数か月~数年単位 | × |
キャリートレード | スワップポイントによる利益 | 制限なし | 1回のみ |
デイトレードのメリットとデメリットは次のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
短時間で稼げる | 初心者にはエントリータイミングが難しい |
取引外の相場の急変動に巻き込まれにくい | チャートの前に張り付かないといけない |
資金効率が良い | スプレッドが広い通貨ペアは取引しにくい |
マイナススワップを気にしなくて良い |
以上をまとめると、FXのデイトレードが向いているのは次のような人になります。
- 短時間で利益を上げたい人
- 相場が動く時間にチャートをチェックできる人
- オーバーナイトしたくない人
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