少額資金であっても、レバレッジを活用すれば多額の利益を狙えます。
最大25倍の金額で取引ができるレバレッジはFXの魅力です。ただし、仕組みや注意点などを知っていないと多額の損失を負うリスクがあります。
ここでは、FX初心者におすすめのレバレッジや仕組み、計算方法やメリット・デメリット、注意点などを解説します。
目次
FXのレバレッジとは
FXのレバレッジは、証拠金の何倍もの金額で取引ができる仕組みです。
国内FX会社であれば、証拠金の最大25倍の金額で取引ができ、より多くの利益を狙えます。
40万円の手元資金で1,000万円の売買をすることも可能です。
まずは、レバレッジの仕組みや最大25倍の理由、国内FXと海外FX会社のレバレッジ倍率の違いについて見ていきましょう。
レバレッジの仕組み
FXのレバレッジとは、口座に入金した証拠金以上の金額で取引ができる仕組みのことです。
レバレッジ（leverage）は「てこの力」「てこの原理」を意味しており、少ない資金で大きな資金を動かせます。
たとえば、レバレッジによって、10万円の資金で100万円の取引をすることも可能です。
レバレッジはFX取引の魅力の1つであり、資金効率を高めた取引で多額の利益を狙えます。
国内FX会社は最大25倍
外為どっとコムやSBI FXトレード、楽天証券など国内のFX会社は、最大25倍までレバレッジをかけることができます。
元々はレバレッジ100倍以上での取引も可能でしたが、破産者が続出したことで、投資家保護を目的としたレバレッジ規制が2010年に施行されました。
この規制により、国内FX会社の最大レバレッジは50倍までとなります。また、翌2011年8月からは最大レバレッジが25倍になるなど、段階的に引き下げられました。
そして、現在も国内FX会社の最大レバレッジは25倍となっています。
25倍のレバレッジの場合、10万円の証拠金で250万円、40万円の証拠金で1,000万円の取引が可能です。
海外FX会社はレバレッジ100倍以上も可能
最大25倍のレバレッジ規制の対象となるのは、国内のFX会社です。海外FX会社は規制の対象にはなりません。
海外FX会社のサイトを見ると「レバレッジ最大300倍」「最大500倍で取引できる」などの文言が載っています。
そのため、海外FX会社は10万円の証拠金で1,000万円以上の取引をすることも可能です。
ただし、国内FX会社より高レバレッジになる分ハイリスクになるため注意が必要です。
FX初心者におすすめのレバレッジは2〜3倍以下
FX初心者の方は、レバレッジを2〜3倍以下に抑えて取引することをおすすめします。
5倍や10倍、20倍など、倍率が大きい取引はリスクが高いからです。
高レバレッジの場合、相場が予想と反対に動くと一気に多額の損失を抱えることになります。場合によっては、すぐにロスカットになるため危険です。
FX初心者はリスクを抑えて取引をすることが大切です。
レバレッジなしの取引、またはレバレッジを掛けるにしても2〜3倍以下に抑えるようにしましょう。
レバレッジの計算方法
レバレッジの計算方法は、次のとおりです。
レバレッジ ＝（通貨レート×取引数量）÷ 証拠金（預入金額）
たとえば、証拠金20万円で「1ドル＝110円」の時にドルを1万通貨購入した場合のレバレッジは「（110×1万通貨）÷ 20万円 ＝ 5.5」となり、レバレッジは5.5倍です。
ほとんどのFX会社はレバレッジが自動で算出されますが、どのような計算方法なのか把握しておきましょう。
FXレバレッジ取引のメリット
FXのレバレッジ取引をすれば、少額資金で多くの利益を狙えて、獲得できるスワップポイントも増やせます。資金効率を高めた取引が可能です。
ここでは、FXレバレッジ取引の2つのメリットについて見ていきましょう。
少額資金で多くの利益を狙える
FXのレバレッジ取引のメリットとなるのが、少額資金で多くの利益を狙えることです。レバレッジ取引は、証拠金を最大25倍の金額で取引できます。
たとえば、証拠金5万円でレバレッジ10倍の取引をすれば、50万円分の売買が可能です。
1ドル＝100円の時に50万円分のポジションを持ち、1ドル＝105円の時に売れば25,000円の利益になります。
レバレッジを活用すれば、多額の利益も獲得できます。
このように、資金効率が高まり、少ない手元資金で多くの利益を狙えるのがレバレッジの魅力です。
スワップポイントも倍になる
レバレッジ取引によって増えるのは売買益だけではありません。
レバレッジにより、証拠金の最大25倍のポジションを保有できるため、スワップポイントも最大25倍獲得できます。
スワップポイントは、2ヵ国間の金利差によって発生する利益のことで、金利差調整分とも呼ばれます。
たとえば、2021年3月時点の日本の政策金利は-0.1%で、アメリカは0.25%です。日本円を売り米ドルを買えば、金利差0.26%分のスワップポイントを獲得可能です。
多くの売買益を狙えるのに加え、スワップポイントも増えるのがレバレッジ取引のメリットになります。
FXレバレッジ取引のデメリット
FXレバレッジ取引には、資金効率を高め多くの利益を狙えるメリットがある一方で、多額の損失やロスカットになりやすいデメリットがあります。
デメリットの把握はリスク対策にもつながります。
ここでは、FXレバレッジ取引の2つのデメリットについて確認していきましょう。
多額の損失を負うリスクもある
FXレバレッジ取引のデメリットとなるのが、多額の損失を負うリスクもあることです。
レバレッジは、証拠金の最大25倍の金額で取引できるのが特徴です。相場が予想通りに動けば多くの利益を得られますが、予想と反対に動けば多くの損失が発生します。
たとえば、証拠金5万円でレバレッジ10倍の場合、1ドル＝100円の時に50万円分購入し、1ドル105円で売れば25,000円の利益ですが、1ドル＝95円まで下がれば25,000円の損失です。
レバレッジ取引は諸刃の剣であるため、多額の利益を得られる一方で、多額の損失を負うリスクもあります。
ロスカットのリスクが高くなる
レバレッジ取引は、ロスカットのリスクも高くなる点がデメリットです。
ロスカットは、証拠金維持率が一定水準を下回ると保有する全ポジションが決済される投資家保護のための仕組みです。
レバレッジ取引は、短期間で多額の含み損を抱え、証拠金維持率が一気に低下する可能性があります。ロスカットになると、資産の大半を失うことになるため気をつけなければなりません。
レバレッジ取引をする際は、証拠金維持率をコントロールし、ロスカットリスクを抑えることが大切です。
FX初心者がレバレッジ取引をする際の注意点
FX初心者がレバレッジ取引をする場合は「証拠金維持率に余裕を持たせる」「取引前にテクニカル分析などを行う」などの注意点があります。
注意点を事前に把握しておけば、リスク回避がしやすくなります。
ここでは、FX初心者がレバレッジ取引をする際の注意点について見ていきましょう。
高レバレッジ取引はハイリスク・ハイリターン
レバレッジは諸刃の剣であり、高レバレッジ取引はハイリスク・ハイリターンとなるため注意が必要です。
2〜3倍など低レバレッジ取引であればいいですが、20倍や25倍などの高レバレッジ取引は、初心者には危険です。
レバレッジ25倍であれば40万円の手元資金で1,000万円の取引ができますが、相場が予想とは逆方向に動けば、一気に多額の損失を抱えることになります。
多くの利益を獲得できるチャンスもありますが、FX初心者ではリスクが高すぎます。経験豊富な上級トレーダーとは違い、知識やノウハウが少ないからです。
高レバレッジ取引はハイリスク・ハイリターンのため、FX初心者は控えましょう。
証拠金維持率に余裕を持たせる
レバレッジ取引をすると、多くの利益を狙える一方で、多額の含み損が発生する可能性があります。
含み損が増えて証拠金維持率が低下し、一定水準を下回るとロスカットが執行されます。ロスカットになれば含み損が確定するため、資産の大半を失うことになるでしょう。
ロスカットリスクを軽減させるためにも、証拠金維持率にはできるだけ余裕を持たせましょう。
多くのFX会社は、ロスカット基準が証拠金維持率50%〜100%です。
そのため、証拠金維持率が100%〜200%程度だと、ロスカットリスクは高いと言えます。
証拠金維持率は少なくとも200%〜300%以上保つことをおすすめします。
絶対にロスカットを防げるわけではありませんが、リスクを軽減させることが可能です。
取引前にテクニカル分析などを行う
レバレッジ取引をする際は、事前にテクニカル分析やファンダメンタルズ分析を徹底しましょう。
資金効率が高くなるからこそ、勘に頼った取引は避けるべきです。
テクニカル分析やファンダメンタルズ分析により、根拠を持ってエントリーや決済をするようにしてください。
デモ口座を活用して練習する
FX初心者がレバレッジ取引をする際は、デモ口座で練習をしてから本番に臨みましょう。
たとえ低レバレッジであっても、レバレッジなしの取引より評価損益の動きは激しくなります。
慣れていないと冷静さを保つことができず、焦って論理的に判断できなくなるでしょう。
デモ口座はほとんどのFX会社が提供しています。
バーチャルマネーを使うので実際のお金が減ることはなく、そのFX会社の取引ツールも使用可能です。本番さながらの環境で好きなだけ練習ができます。
デモ口座で相場分析方法やレバレッジ取引を練習し、ある程度ノウハウを得たうえで本番に挑むことをおすすめします。
レバレッジを選択できる国内FX会社5選
国内FX会社の中には、最大レバレッジを選択できるFX会社もあります。
ここで紹介する5つのFX会社であれば、低レバレッジに設定するなど最大倍率に制限をかけることが可能です。
最大レバレッジを制限して取引したい人は、以下のFX会社を検討してみるといいでしょう。
FXブロードネット
FXブロードネットは、最低取引単位が1,000通貨で自動売買トラッキングトレードができるFX会社です。
リピート型自動売買注文のトラッキングトレードを利用すれば、仕事中や寝ている間も24時間利益を狙えます。
最大レバレッジは以下のようにコースによって異なります。
・ブロード1コース：最大1倍
・ブロード20/ブロード20ライトコース：最大20倍
・ブロード25/ブロード25ライトコース：最大25倍
・ブロード25MC/ブロード25ライトMCコース：最大25倍
・ブロード25S/ブロード25ライトSコース：最大25倍
YJFX!
YJFX!は、ヤフーグループが運営していて、1,000通貨から取引ができ業界最狭水準のスプレッド、PayPayがもらえるキャンペーンもあるFX会社です。
24種類の通貨ペアを扱い、取引ツールも充実しています。
レバレッジは1倍・10倍・25倍の3つのコースから選択可能です。
マネックス証券
マネックス証券のマネックスFXは、高性能で使い勝手の良い取引ツールが揃い、米ドル/円0.2銭〜業界最狭水準スプレッドでアナリストなどの投資情報が充実しています。
1,000通貨から取引できるため少額資金でFXを始めることが可能です。
レバレッジは1倍・2倍・5倍・10倍・25倍の5つのコースから選択できます。
楽天証券
楽天証券の楽天FXは、米ドル/円0.2銭など低コストで取引ができ、10万通貨とごに楽天スーパーポイントが1ポイント貯まります。
FISCOやロイター、グローバルインフォなど投資に役立つ情報が豊富です。
以下5つのレバレッジコースが用意されています。
・レバレッジ1倍コース
・レバレッジ2倍コース
・レバレッジ5倍コース
・レバレッジ10倍コース
・スタンダード25倍コース
松井証券
松井証券のMATSUI FXは、100円から取引できるのが特徴です。7時〜23時までの長時間サポート体制で、高機能で使いやすい取引ツールが揃います。
レバレッジは以下の4つのコースから選択できます。
・レバレッジなしコース
・低レバレッジ5倍コース
・低レバレッジ10倍コース
・スタンダード25倍コース
まとめ
FXでは資金効率を高めるレバレッジ取引が可能です。証拠金の最大25倍の金額で取引ができるため、少額資金で多額の利益を狙えます。
ただし、レバレッジ取引はリスクもあるため、FX初心者は2〜3倍以下がおすすめです。
まずは低レバレッジでリスクを抑えて取引を行い、経験を積んだら高レバレッジ取引にも挑戦してみましょう。
FX初心者でレバレッジ取引を検討している方は、ここで紹介した内容を参考にしてみてください。
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